本造り庵棟　磨上茎。直ぐ調に小乱れ交る。地鉄と交じり刃中に砂流、金筋頻りに入り、刃中の働き見事で匂口深く刃中良く働く。板目肌、杢交じり練れよく詰む。地沸微塵に厚くつき、細かな地景よく入り映り立つ。相州伝上工、越中則重。

本造り庵棟、磨上茎。　直調子に小互の目交じる。匂い口フックラと冴え小沸見事につく。匂い足入り、金筋、砂流しかかるり、匂い口明るく冴える。小杢目肌、練れよく詰む。地沸微塵に厚くつき、細かな地景よく入り映り立つ。来国安。

本造り庵棟、磨上茎。　湾れに互の目交じり飛び焼き交じる。匂い口フックラと小沸よくつく。匂い足入り葉働き、細かな金筋、砂流しかかる。匂い口、明るく冴える。板目肌に杢交じり、よく練れ詰む。地沸微塵に厚くつき、細かな地景顕われ乱れ映り立つ。表裏に棒樋の彫刻。長船元重の弟。

平造り庵棟、うぶ茎。互の目乱れ焼き激しく皆焼となる。匂い口フックラと沸づく。湯走り飛び焼きかかり足、葉盛んに働く。金筋、砂流しかかり明るく冴える。板目肌に柾交じりよく詰む。地沸微塵に厚くつき、細かな地景顕われ映り立つ。

平造り三ツ棟、うぶ茎。　湾れに互の目交じり、喰い違い刃交じる。匂い深く、よく沸づく。湯走り飛び焼きかかり、足葉働く。刃縁に金筋よく絡み、砂流しかかり明るく冴える。板目肌に柾交じり練れ詰む。地沸厚くつき、細かな地景顕われ淡く映り立つ。氏貞。