日本刀豆知識1<刀身の形状、造り込み>

投稿日:2021年01月05日(火)

昨今の刀を初めてご覧になられるお客様にもならべく分かって頂けますように、本ホームページの用語の説明などを順次こちらで載せていこうと思います。

<刀身の形状、造り込み>

1「本造り(鎬造り)」 鎬がある造り込み(形状)です。日本刀で一番一般的な造り込みです。

2「平造り」 短刀、脇差で多く見られる造り込みです。

3「大平造り」二尺以上ある平造りの日本刀です。かなり珍しいです。

4「両刃造り(双刃造り)」 主に短刀の造り込みです。室町中期以降によく見ます。

5「長巻き直し造り」長巻き(薙刀)を改造したものが呼称の起源ですが、短刀の多くは製作時から意図して作られた造り込みです。

(短刀の場合)

6「菖蒲造り」姿が菖蒲の葉に似ているのでそのように呼ばれます。短刀によく見ます。長巻直しに近い場合がありますが全体の形状が判断のポイントです。

7「鵜の首造り」棟側から見ると、鵜の首の形のように盛り上がっている造り込みです。短刀、脇差によく見ます。

8「冠落し造り」鵜の首造りと比べ、鎬地の肉が斜めに削いであるものとされます。

9「片切刃造り」片側が平造りで、もう片側が切刃造りとなっている造り込み。切刃造りとは上古刀の剣などで見られた形です。

10「小烏丸造り」御物の小烏丸と同じ造り込みです。伝説的な日本刀として多くの写しが作られました。

11「おそらく造り」島田義助が初めて作ったと言われる造り込みです。幕末期に多いです。

12「剣」両刃の造り込みで、古代から作られています。

13「薙刀造り」長巻きとも呼称される造り込み。

14「槍」武士の表道具と言われた形状。平三角型(断面が三角)や、両鎬型(剣に横手があるような造り)などがあります。

以上が特徴的なものとなります。